【4月24日 AFP】欧州連合(EU)は24日、中国による医療機器の公共調達に関する調査を開始したと発表した。

 EUが公共調達市場の互恵的な開放を、域外の貿易相手国にも求める「公共調達新規則」の下で初めての調査となる。

 EU側は、中国の入札で「バイ・チャイナ」政策を含め、国内企業が不当に優遇されている可能性を懸念。また中国政府が輸入制限や「営利企業には提示不可能なほど低価格の入札」を課している可能性も指摘している。

 調査によって中国側の不公正な行為が認められた場合、中国の医療機器メーカーはEU加盟27か国の公共入札への参加を制限される可能性がある。

 調査は開始から9か月以内に終了するが、欧州委員会(European Commission)はこれを5か月延長することができる。

 EUは中国に対し、意見の提出や関連情報の提供を呼び掛けており、EU側が申し立てた措置や慣行を撤廃・是正するために欧州委と協議を行うこともできるとしている。

■中国 「EU側のイメージダウン」

 一方、中国政府は同日、中国の医療機器調達に関する調査は、EU自身のイメージを「損なう」ものだと警告した。

 中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は、「EUは独自の貿易ガイドラインや貿易救済措置を頻繁に持ち出すが、それらは保護主義的なシグナルを発するだけで、中国企業を標的にしてEUのイメージを損なうだけだ」と批判。

「EUはいつも世界で最も開かれた市場であると自画自賛しているが、外部からは徐々に保護主義に向かっているようにしか見えない」と述べ、「われわれは欧州が市場の開放と公正な競争という約束を守り、世界貿易機関(WTO)のルールを尊重し、中国企業を根拠なく抑圧・制限するあらゆる口実を使うことをやめるよう強く要求する」と続けた。(c)AFP/Raziye Akkoc