非常脱出訓練を受けている記者(c)news1
非常脱出訓練を受けている記者(c)news1

【03月10日 KOREA WAVE】記者の視野がぼやけた時も教官は「AGSMしてください」と話したが、パニックに陥った記者は体に力を入れることもできなかった。気がついた記者に教官は「もう一度やってみれば成功するはずだが」と話したが、「二度とやりたくないです」と答えるしかなかった。

韓国空軍の操縦士らは普通、9Gで15秒以上を耐えられないと戦闘機に乗ることができない。8G以上の高い重力を受ける訓練をすれば、体の隅々の毛細血管が破れることもある。6Gにも耐えられなかったので「操縦士はやはり誰でもできるものではない」と思った。

戦闘機の操縦が不可能になった場合に備える非常脱出訓練にも取り組んだ。脱出用の取っ手を引くと操縦席が高速で跳ね上がる方式の訓練だ。実際の状況では、射出時に操縦士が受ける衝撃が最大20Gに達する可能性があるが、訓練装備は最大6Gだけで運用される。

非常脱出訓練の教官は、肩と首に力を入れて操縦席に頭を密着させ、正しい姿勢を維持しなければならないということを何度も強調したが、これにはすべて理由がある。実際の状況では、ものすごい加速度の衝撃と外部の突風などによって首や脊椎が折れることも発生するからだ。非常脱出に成功しても操縦士のうち85%は小さい傷ですら負い、グレイアウトを経験する場合が多いという。

空間認識能力の喪失も戦闘機操縦士は必ず避けなければならない。人間の感覚は思ったより正確ではないため、戦闘機の機体がひっくり返ったのに正常な状態と錯覚したり、戦闘機が旋回中にも水平状態を維持していると誤認して事故が発生することがある。

飛行錯覚体験訓練のための「4D体験」アトラクションのような装置に入ると、飛行錯覚を実際に体験することができた。例えば、飛行機が大きな角度で上昇していると感じたにもかかわらず、実際の上昇角は10度程度しかなく、飛行機が左に旋回しているように見えるにもかかわらず、計器には水平状態であることが表示されていた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News