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【02月27日 KOREA WAVE】韓国の国内脱毛人口だけで1000万人に達する中で、製薬・バイオ企業が脱毛治療剤開発に取り組んでいる。脱毛治療剤の市場規模は世界的に10兆ウォン(1ウォン=約0.11円)と推算されるほど脱毛治療剤は製薬業界の「最後のブロックバスター(莫大な利益をもたらす新薬)」という評価も受けている。

韓国企業は現在、効果と安全性の両方を兼ね備えた「K治療剤」を開発している。

新薬開発バイオ企業ケラメディックスは、脱毛治療用注射剤として開発中の革新的な新薬候補物質「HK1」の臨床1相IND(臨床試験計画)を15日、食品医薬品安全処に申請した。HK1は毛髪の構成成分である「ケラチン」を利用した薬物で、毛髪の成長が止まる休止期にサイトカイン(免疫調節因子)「TGF-BETA2」によって作られるケラチン成分を脱毛患者に注射して発毛を促進し、さらなる脱毛を抑制する。

ケラメディックスはHK1を男性と女性の脱毛に全て適用できる治療剤として開発中だ。ハン・ソンウク代表は「副作用は確認されていない。脱毛部位にだけ直接的に薬物を注入して発毛を促進する注射剤型で月に一度だけ投与するように作られた。病院で治療を受ける方式なので、医師が管理できるシステム」と説明した。

市場調査会社のグランドビューリサーチによると、世界の脱毛治療剤市場は2028年まで年平均8%成長、約19兆ウォンに規模を拡大すると見ている。約1300億ウォンに達する国内脱毛治療剤の市場規模もこれと同じような速さで拡大するものと見られる。

市場を先取りした治療剤はある。脱毛抑制に90%効果を見せるMSDの「プロフェシア」(フィナステリド)、GSKの「アボダト」(ドゥタステリド)オリジナルとジェネリック(複製薬)が世界脱毛市場をシェアしている。しかし、副作用は依然として課題として残っている。男性ホルモンを抑制するメカニズムのフィナステリドとドゥタステリド成分は、性機能の低下、肝機能の異常、うつ病などの副作用を引き起こす可能性がある。

これらの薬物は、妊娠可能期の女性が服用すると奇形児を出産する可能性が高まるため、現在の女性用脱毛薬は唯一「ミノキシジル」だ。ただ、ミノキシジルは濃度3%以上を使う場合、副作用として多毛症が発生し、鼻の下など望まない部位にも毛が生える可能性がある。

従来の治療剤の限界を越えるための国内企業の動きはさらに速まった。

JW中外製薬は幹細胞脱毛治療剤候補物質による新薬「JW0061」を開発中だ。これは毛包幹細胞にあるウイント(Wnt)信号伝達経路を活性化し、毛包増殖と毛髪再生を促進する「ファーストインクラス」(First-in-Class)候補物質だ。2023年度の第1次国家新薬開発事業の支援課題に選ばれ、非臨床研究費の支援を受けており、JW中外製薬は年内に食品医薬品安全処にJW0061関連INDを提出する計画だ。

大熊(テウン)製薬はウィザース製薬、インベンテージラボと共同でフィナステリド成分を長期持続型注射剤として開発した「IVL3001」(1カ月持続型)と「IVL3002」(3カ月持続型)を開発中だ。IVL3001はオーストラリアで臨床1相を終えた状態で、国内で3相を準備中であり、IVL3002はオーストラリアで臨床1/2相を準備している。

鍾根堂(チョングンダン)は、「CKD-843」と「CKD-498」を開発中だ。特に、現在臨床2相に突入したCKD-498は、国内で開発中の事実上唯一の女性用脱毛治療剤だ。

ある業界関係者は「新たな機転の治療剤がどれだけ効果があるかは見なければならないが、市場を先取りした治療剤に比べて副作用を減らすことも重要だろう」と話した。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News