中国当局が再開館した詩人、ユン・ドンジュ(尹東柱)生家=ソ・ギョンドク教授チーム提供(c)NEWSIS
中国当局が再開館した詩人、ユン・ドンジュ(尹東柱)生家=ソ・ギョンドク教授チーム提供(c)NEWSIS

【02月20日 KOREA WAVE】韓国で人気を誇る詩人ユン・ドンジュ(尹東柱、1917~1945)の生家が、昨年10月に再び公開を始めた後も展示物に「中国朝鮮族愛国詩人」と刻まれていることがわかり、韓国で政府レベルの抗議が必要だという指摘が出ている。

ユン・ドンジュは、朝鮮半島と接する中国東北部の吉林省延辺自治州龍井市で生まれた。その後、日本に渡り、同志社大生だった1943年7月、朝鮮独立運動に関わったとして検挙され、京都地裁で治安維持法による実刑判決を受けて1945年2月16日に獄死した。

ユン・ドンジュの国籍を巡っては、韓国側が「韓国人」であると主張しているのに対し、中国側は「中国の少数民族である朝鮮族」との立場を取っており、論争がある。

中国当局は昨年7月、内部を修理するとして生家をいったん閉鎖し、10月末に再び開館した。

誠信(ソンシン)女子大のソ・ギョンドク教授は16日、自身のインスタグラムで「生家を訪問した人が情報提供してくれたが、結論から言えば工事前と大きく変わった点はない」と指摘。生家出入り口の横に建てられた標示石には「中国朝鮮族愛国詩人」という字句が修正されないまま刻まれている。

ソ・ギョンドク氏は「中国当局が閉鎖していた4カ月の間に何をしたのか問わざるを得ない。韓国政府は強く抗議すべきだ。いつまでも歪曲を見守っているわけにはいかない」と強調した。

ソ・ギョンドク氏は、中国最大ポータル「百度(バイドゥ)百科事典」についても「持続的な抗議で『民族:朝鮮族』の項目は抜けたが、国籍は『中国』、説明も『中国朝鮮族愛国詩人』として残っている」と指摘した。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News