【2月9日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は8日、各国の資金拠出停止で活動が危ぶまれている国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)について、代わりは存在しないと強調した。

 UNRWAをめぐっては、職員12人が昨年10月7日のイスラム組織ハマス(Hamas)のイスラエル奇襲に関与した疑惑が浮上したのを受け、日、米、英、独などが資金拠出の一時停止を表明。グテレス氏は拠出再開に向けてこうした国々との緊迫した協議を主導している。

 グテレス氏は記者会見で、「(パレスチナ自治区)ガザ地区(Gaza Strip)に代替組織はなく、この状況は独特だ。つまり、現在UNRWAに代わる組織はない」と指摘した。

 グテレス氏はUNRWAがガザへの支援を継続するのに最適な組織である理由として、コストパフォーマンスの高さを挙げた。

「歴史的な理由から、UNRWAのコストは他の機関よりも低い。UNRWA職員の給与も国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)や世界食糧計画(WFP)など他の国連機関の3分の1だ」「このため代替する試みは不可能だ」と述べた。(c)AFP