【2月9日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領(81)が7日、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)前首相を、4年前に死去したヘルムート・コール(Helmut Kohl)元首相と言い間違えた。11月の大統領選で再選を目指すバイデン氏が、欧州の指導者を故人と言い間違えたのは今週2回目。

 バイデン氏は、2021年に英国で開催された先進7か国(G7)首脳会議(サミット)で同年1月6日に起きたドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の支持者による米連邦議会襲撃事件が話題になった際のエピソードをたびたび披露している。

 だが代表取材によると、バイデン氏はこの日、「ドイツのヘルムート・コール首相が私を見て言った。『大統領、もしも明日の朝、ロンドン・タイムズ紙を手に取り、首相就任を阻止しようする1000人の群衆が英国議会のドアを破り、何人かを殺害したと知ったらどう思いますか』」と述べた。

 実際にこのサミットに出席していたのは、ドイツ初の女性首相メルケル氏だった。一方、バイデン氏が言い間違えたコール氏は、東西冷戦(Cold War)後のドイツ統一の立役者として知られ、1982~1998年の16年間首相を務め、2017年に死去した。

 カリーヌ・ジャンピエール(Karine Jean-Pierre)米大統領報道官は会見で「選挙で選ばれた議員も、多くの人々も失言することがある。誰にでもあることだ」と釈明した。

 だが、バイデン氏は4日にも、ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)で行われた選挙集会で、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領を、30年近く前に死去したフランソワ・ミッテラン(Francois Mitterrand)元大統領と言い間違えた。

 この時は、2020年の先進7か国(G7)首脳会議(サミット)でのマクロン氏のエピソードを披露しようとして、「ドイツのミッテラン」と言い間違えた後、国名については「いや、フランスだ」と訂正した。

 後にホワイトハウス(White House)が公表した発言記録では、「ミッテラン」は横線で消され、かっこ付きで「マクロン」と訂正されていた。

 ミッテラン氏は1981~1995年に仏大統領を務め、1996年に死去した。(c)AFP/Danny KEMP