【2月11日 CGTN Japanese】中国中部の湖北省宜昌市の山間部に住む妊婦の佘さん(29歳)は6日未明に産気づきました。佘さんの家は標高800メートル地点にあり、ここ2日間は大雪のため、人も車も移動が困難な状態でしたが、医療関係者は佘さんの家族と共に臨時に作った簡易そりで佘さんを下山させて待機中の救急車に運びました。佘さんは無事出産したということです。

 救急要請を受けた宜昌市第2人民病院の鄧玉波・救急当直医と周婷婷看護師は同日午前3時ごろ、救急車に乗り、佘さんの家に急いで向かいました。途中、医師と看護師は佘さんの家族と通話を続け、佘さんに焦らず横になって待つよう指示しました。タイヤチェーンをつけた救急車は雪の降った山道を慎重に1時間余り走行しましたが、佘さんの家まで残り約400メートルの地点に路面が凍結した上り坂があり、救急車は登ることができませんでした。医師らは車から降りて、雪の中を歩いて佘さんの家に駆けつけました。

 佘さんを検査した結果、バイタルサインは安定しており、胎動も正常であることが確認されました。しかし、このような道路状況と天候の中で、救急車までの400メートルをどのように運べばよいのでしょうか。医師らは車椅子や担架も考えましたが、最終的に「そり」で運ぶことを決めました。

 医師らは家族と協力してじゅうたんと布団を使った簡易そりを作り、佘さんを寝かせ、400メートルの雪道を引きずりながら救急車まで運んでいきました。病院に向かう途中、医師らは産科に準備をしておくよう連絡し、午前6時ごろ宜昌市第2人民病院に到着した後すぐに佘さんを産室に運びました。佘さんは午後4時ごろ女の子を出産し、母子共に無事だったということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News