ソウル中区役所統合安全センターの知能型CCTV管制システム(c)news1
ソウル中区役所統合安全センターの知能型CCTV管制システム(c)news1

【02月04日 KOREA WAVE】韓国政府が梨泰院(イテウォン)雑踏事故の事後対策として「国家安全システム改編汎政府総合対策」を発表して1年が過ぎた。総合対策は2027年までを目指した中・長期対策であり、既にいくつかの分野ではその成果が出ている。

人工知能(AI)と通信会社データに基づいた人混み管理が可能になるなど先端技術が取り入れられ、地方自治体・消防・警察など現場の安全管理責任と義務が強化された。

行政安全省によると、知能型(AI)CCTVシステム(防犯カメラ)は、昨年12月時点で全国CCTV54万台のうち17万3000台(32.1%)に導入された。同省は総合対策を発表し、2027年までに導入率100%を達成すると明らかにした。

知能型CCTVは災難「予防」へのパラダイム転換のための核心要素だ。AIが特定の行動(転倒・密集)や顔を捉えると、その画面を最優先的にモニターに表示する。「登校時間学校前」のような形でキーワードを入力し、優先的に見たい画面を設定することも可能だ。

群衆事故については1平方メートル当たり4~6人が密集すれば、これを管制要員に最優先に知らせるように設計された。現実的に人の管制要員が、数百台に達するCCTVを適切に監視することが困難な点を考慮した。

SKT・KT・LGユープラスの移動通信3社の基地局接続データ提供義務化で、携帯電話の位置情報に基づく混雑管理も可能になった。行政安全相と各自治体の長は今後、移動通信3社に携帯電話基地局接続情報を提出するよう求めることができる。大勢の人が集まれば、自治体の状況室に自動的に通知が行く。

繰り返された通報を知らせる「112反復通報感知システム」も導入された。反復通報感知システムは、一つの地域で1時間以内に3件以上の同様の通報が繰り返されれば、これを感知して最優先で対応するようにする。梨泰院事故当時、相次ぐ警察への通報が黙殺された点に着眼した改善策だ。

「現場中心」対応のためには「災難安全法」を改正し、3月から各自治体長に「主催者のいない祭り」の安全を管理する義務が付与される。梨泰院事故前までは安全管理主体がなくハロウィン・クリスマスなど祭りに対する安全管理が不十分だった。

自治体長はイベント前に安全管理計画を策定し、これを履行しなければならない。ソウル市の場合、このような趣旨で昨年のハロウィンの時、人混みの密集が予想される地域71カ所を選定し、知能型CCTVを増やした。

消防・警察は災難状況での円滑なコミュニケーションのために互いの状況室に「状況管理官」を派遣するなどコミュニケーション体系を改善中だ。梨泰院事故当時、消防-警察間のコミュニケーションの問題で救助・搬送が遅れたという指摘があった。

消防庁はまた、救急車が救急患者を収容できる病院を探すために治療のゴールデンタイムを浪費する「救急外来逼迫」問題解決のために、来月から病院-救急隊患者重症度分類システムを一元化する。

現場対応の核心である災難安全状況室は昨年12月時点で全国228の市・郡・区のうち110カ所(48%)に設置された。昨年1月の49カ所に比べると2.2倍増加した。

災難安全状況室は「24時間災難専門担当人材体制」の状況室をいう。梨泰院事故前にも最前線の市・郡・区の状況室は24時稼働したが、夜間には一般行政職公務員など当直者が役割を兼ねた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News