中国海南島で座礁の大型クジラ救助 イカ20キロを食べるまでに回復
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【1月23日 CGTN Japanese】3日午前、中国南部の海南島三亜市の海棠湾沖合で、体重500キロを超えるクジラの一種、コビレゴンドウが負傷し、座礁しているのが発見されました。このクジラには、体の複数の深刻な外傷があったため、直接海に返すことができず、三亜海昌生物保育センターに送られ、治療を受けています。このクジラは、ボランティアから救助された海棠湾にちなんで「海棠」と名付けられました。
「海棠」は成体のオスのコビレゴンドウで、体長は約3.6メートル、体重は500キロ以上、ハクジラ亜目に属し、鋭い歯を持っています。治療のために海棠をおとなしくさせることは難しく、治療が始まると、何人かのボランティアが噛まれるような状態でした。同センターのスタッフは海棠の体を拭くなどして触れていくうちに、徐々に警戒をほどき、今ではスタッフに身を委ね、えさが欲しい時は呼吸して水を吸い込み、それをスタッフに吹き出して求めるようになりました。現在は、大好物のイカさえ十分にあれば、基本的に短時間であれば治療に協力できるまでになりました。海棠は、毎日20キロのイカを食べるまでに回復しているということです。
救助活動に参加したブルーリボン海洋保護協会の蒲冰梅事務局長によると、最初、海棠は肺感染症のため潜水できず、横倒し状態の時に水を呼吸孔から吸い込んでしまうのを防ぐため、潜水士が24時間交代で持ち上げて見守ることが必要でした。この救助活動のため緊急で潜水士を募集したところ、意外にも100人以上のボランティアから積極的な応募があったということです。地方からわざわざ駆け付けたカメラマンもいれば、退勤したばかりの航空機のパイロットもおり、全員が無償で参加しています。
多くの関係者の救助作業の甲斐あり、海棠の健康状態は日に日に回復しています。血液サンプル検査の結果、現在は屋外飼育が可能な状態であることが判明しました。同センターは「海棠」を屋外プールに移し、健康状態を見ながら海に戻す時期の見通しを立てる計画です。(c)CGTN Japanese/AFPBB News