香港水域で再びクジラの姿 漁護署が「クジラ追跡は違法」と注意喚起
このニュースをシェア
【9月13日 CGTN Japanese】香港の西貢海域でニタリクジラの姿が確認されたのに続き、先日も、香港水域でクジラが出現しました。
香港警察が11日午前9時に市民から寄せられた通報にもとづき確認したところ、香港南区の深水湾泳灘の沖合約500メートルで小さなクジラを視認しました。クジラは負傷している可能性があると判断されました。香港警察と香港特別行政区政府の漁農自然護理署(以下:漁護署)、海洋公園保育基金の職員はただちに現場海域に行き、クジラを観察しました。
クジラの姿はいったん確認されましたが、その後は姿を消したとのことです。市民が投稿した動画によると、このクジラは頭が小さく、背びれが長時間にわたり水面上に出ていました。
香港城市大学の葛展栄助教授は「このクジラは珍しいオガワコマッコウとみられる。通常は深海に生息しているが、香港の浅い水域に姿を現したのは、迷子になったか病気、さらに漁船との衝突が原因と思われる。クジラの体に明らかな傷は見られなかったが、頭部にははっきりとしたへこみがあった。初歩的な分析では、体調は芳しくない」との見方を示しました。
オガワコマッコウは小型のクジラで、成体の体長は約2.1メートルから2.7メートルで、体重は約135キロから275キロほどです。主にイカやタコを食べ、その他の魚介類も食べます。香港近海では1973年以降、オガワコマッコウが4頭出現しました。
漁護署の広報官は、船で海に出て観察したり追跡したりしないよう、市民に呼びかけました。海上でクジラと遭遇した場合には100メートル以上の距離を保ち、船の速度を落として、迅速に離れねばなりません。違反すれば、行政側は法執行行動を取る場合があります。広報官はまた、すべての水中哺乳動物は『野生動物保護条例』(第170章)によって保護されており、無責任なホエールウオッチングは、保護対象の野生動物に意図的に干渉した行為に該当する恐れがあり、違反して有罪判決を受ければ、最高で禁固1年および罰金10万香港ドルの判決を言い渡されると注意を喚起しました。
漁護署は関連部門や香港海洋公園保育基金と連携して引き続き巡視を続け、クジラの位置や種類、健康状態などを確認するとともに、状况を緊密に監視します。また、水上警察や海事部門と連携してクジラの出現が確認された海域での巡視を強化し、クジラが騒ぎに巻き込まれないようにする方針です。(c)CGTN Japanese/AFPBB News