【1⽉28⽇ Peopleʼs Daily】中国では、大型人工知能(AI)モデルの導入が加速している。また、中国が開発した大型AIモデルの数は世界第2位に達した。

 中国工業・情報化部の陶青(Tao Qing)報道官は、「大型AIモデルの発展には技術革新の速さや応用と浸透の広がり、国際競争の激化などの特徴があります」と述べた。

 北京経済技術開発区(Beijing Economic-Technological Development Area)では、車を運転する多くの市民が、赤信号に遭遇する回数が明らかに少ないことに気付いた。現地当局はIT大手の百度(Baidu)と提携して路側感知データ、インターネットデータなどの多くの時空データを融合して、交通モデルを利用してシミュレーションと推論を重ね、地域全域の信号機の表示を最適化した。推算によると、該当地域での交差点の平均通過時間は28パーセント短縮された。

 さまざな分野に特化したAIの大型モデルが次々に登場して、高い専門性にそれぞれの分野に特有の問題をより良く解決し、より正確なサービスを提供している。中国のオンライン旅行サービス最大手の携程(シートリップ、Ctrip)を運営する携程集団が発表した「携程問道」は、自然言語による対話が可能で、利用者のホテルや観光地の予約、旅程計画の決定などを補助することができる。

 AIの開発を手掛ける科大訊飛(アイフライテック、iFLYTEK)が発表したアプリの「訊飛暁医」は大型AIモデルを利用して、健康の自己チェック、健康診断書の解読、健康ファイル管理、ユーザーの健康相談への対応を行う。

 南京農業大学(Nanjing Agricultural University)のチームが発表した歴史的言語の大型モデルには、文法分析、情報抽出、スマート作詩などの機能があり、古文書整理や文芸娯楽などの分野への応用が期待されている。

 中国では2023年10月時点で、10億パラメーター規模以上の大型モデルを持つ企業および大学や研究所が250か所を超えた。上海財経大学(Shanghai University of Finance and Economics)の劉元春(Liu Yuanchun)学長は、「中国は世界第2位の経済国であり、超大規模な市場とデジタル資源という強みがある。このことが大型モデルにより深く、より豊富な実用場面を提供し、持続的な訓練が可能な環境を提供している」との見方を示した。

 大型モデルの土台は演算力だ。中国では国内東部で取得されたデータを国内西部で演算処理する「東数西算」が推進されている。すなわち「演算力提供」の分野で中国西部にチャンスが到来した。青海チベット高原初のスマート計算センターとして青海省(Qinghai)内に設置された青海崑崙人工知能計算力センターは、2023年11月30日に発足した。2023年12月7日には、寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)初の大規模クラスタースマート計算センターの建設プロジェクトが契約された。

 工業・情報化部など中国政府6部門は2023年10月、「演算力インフラ高品質発展行動計画」を発表し、2025年までに演算力の規模を300EFLOPS(1EFLOPSとは1秒当たり10の18乗回の浮動小数点演算を行う性能)以上にし、スマート演算力の割合を35パーセントにするとの方針を打ち出した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News