【01月11日 KOREA WAVE】
現代自動車グループ「スーパーナル」が公開したSA-2=現代自動車グループ(c)KOREA WAVE
現代自動車グループ「スーパーナル」が公開したSA-2=現代自動車グループ(c)KOREA WAVE

韓国の現代自動車グループの先進航空交通(AAM)企業「スーパーナル(Supernal)」は9日、米ラスベガスで開幕した世界最大のテクノロジー見本市「CES2024」で2028年の商用化を目標に開発中の次世代機体「S-A2」の実物モデルを初公開した。S-A2は電動垂直離着陸機(eVTOL)で、2020年のCESで現代自動車グループが初のビジョンコンセプトS-A1を提示していた。

S-A2は全長10m、全幅15mで操縦士を含め5人が搭乗可能だ。機体は計8つのローターが装着された主翼と「スーパーナル」のロゴを模したV字尾翼、現代自動車グループのデザイン哲学が溶け込んだ乗客搭乗空間で構成されている。

機体には「ティルトローター(Tilt-Rotor)」推進方式を採用した。回転翼であるローターが状況によって上下90度に折れる構造で、離着陸時には揚力を得るためにローターが垂直方向に、巡航時には前方に向きが転換される。

ティルトローター方式は現在、AAMに適用されている推進方式の中で最も革新的で効率的な作動方式の一つとして知られている。特に、垂直離着陸時に8つのローターのうち前方4つは上に、後方4つは下にティルトされる構造は、スーパーナルが業界で初めて導入する独自の方式だ。

SA-2機体の主な特徴=現代自動車グループ(c)KOREA WAVE
SA-2機体の主な特徴=現代自動車グループ(c)KOREA WAVE

スーパーナルは、S-A2が最大400~500mの高度で時速200kmの巡航速度で飛行することを目標に開発中だ。S-A2は商用化の際、都心内の約60キロ前後の距離を飛行する予定だ。

スーパーナルはCES2024期間中、ラスベガスコンベンションセンターの外に実際の大きさの「垂直離着陸飛行場」を連想させる展示場を設け、観覧客がスーパーナルのAAM搭乗全般を経験できるようにした。

展示場の観覧客は、大型LEDスクリーン前の360度に回転するように展示されたS-A2の機体で、ロサンゼルス上空を回るシミュレーションを体験することになる。コントロールルームではAAMが離陸して着陸するまでの過程と多様な気象状況によって航空管制システムがリアルタイムで運営される様子を見ることができる。

S-A2について説明する現代自動車・起亜AAM本部長兼スーパーナルCEOのシン・ジェウォン社長=現代自動車グループ(c)KOREA WAVE
S-A2について説明する現代自動車・起亜AAM本部長兼スーパーナルCEOのシン・ジェウォン社長=現代自動車グループ(c)KOREA WAVE

スーパーナルはLA市内を再現したジオラマを通し、メガシティでAAMネットワークが効率的な交通手段として利用される様子を演出するなど、未来航空モビリティーをリアルに体験できるよう展示ブースを構成した。

現代自動車・起亜AAM本部長兼スーパーナルCEOのシン・ジェウォン社長は「今回の新規機体公開は未来モビリティーのパラダイム転換を先導するというスーパーナルと現代自動車グループの意志を示すものだ。『最適の時点で最高の機体』を披露するという戦略を展開しながら、関連業界との持続的な協力を通じてAAM生態系構築の先頭に立つ」と強調した。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News