【1月7日 AFP】ロシア・モスクワで6日、ウクライナで戦う動員兵の妻たちが、大統領府(クレムリン、Kremlin)の壁際にある無名戦士の墓に花を手向けた。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はウクライナ侵攻開始から7か月後の2022年9月、予備役の動員を発表。数か月がたち、動員兵の家族は怒りを募らせている。

 6日には15人の女性が寒空の中、赤い花を手向けた。

 夫が2022年11月に動員されたというマリアさん(47)はAFPに対し「私たちの訴えに、当局や世間に関心を向けてもらいたい。議員らに書簡を送付するなどもしてきたが、私たちの声は聞き入れてもらえなかった」と語った。

 別の女性は当局に対し、ウクライナとの「和平交渉」を求めた。

 通常、ウクライナ侵攻に対する抗議は初期のうちに厳しく取り締まられるが、今回は警察は介入しなかった。

 1歳の子どもを持つポーリーナさんは、断固として夫を取り戻したいと考えている。

 今回の抗議行動は「平和的な行為で、法律でまだ禁止されていない」と話した。「当局は私たちのことを厄介がっているようだが、誰も黙ったままではいない」とし、自分たちの主張に注目が集まるよう「毎土曜日に花を手向ける」と強調した。「いつか、私たちを無視できなくなる」

 国営メディアはこれまでのところ女性たちの抗議行動をほぼ無視している。大統領府は、プーチン氏の再選が確実視される大統領選に向け、国内が団結しているとの印象を維持したい考えだ。

 プーチン氏によると、ウクライナでの戦闘に従事する兵士は61万7000人で、うち24万4000人が動員兵。(c)AFP