旅客機の着陸装置格納部から瀕死の男性、重度の低体温症 仏パリ
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【12月29日 AFP】仏パリのオルリ(Orly)空港で28日、アルジェリアから到着した旅客機の着陸装置格納部に隠れていた瀕死(ひんし)の男性が見つかった。男性は重度の低体温症で病院へ搬送された。当局が明らかにした。
検察によると、アルジェリアのオラン(Oran)を出発したアルジェリア航空(Air Algerie)の旅客機は同日午前にオルリ空港に到着。整備点検中に男性が発見された。
男性は身分証明書を所持していなかったが、年齢は20代とみられる。
空港関係者は男性に付いて、「生きていたが、重度の低体温症で命にかかわる状態だった」と述べた。
民間航空機が飛行する高度3万~4万フィート(約9000~1万2000メートル)の気温は通常氷点下50度程度。着陸装置格納部は暖房も与圧もない上に酸素不足で、生存できる可能性は低い。
2019年7月には英ロンドン郊外の庭に男性の凍死体が落下したが、これはヒースロー(Heathrow)空港に着陸間近だったケニア航空(Kenya Airways)便の着陸装置格納部から落ちたとみられている。
メディアが引用している米連邦航空局(FAA)のデータによると、1947~2021年に132人が旅客機の着陸装置格納部に潜入して密航を試みた。業界では「ホイールウエル密航者」と呼ばれている。
FAAによると、「ホイールウエル密航者」の77%は死亡した。(c)AFP