ソウルのある塾街に貼ってある入試広報文=写真は記事の内容とは関係ありません(c)news1
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【12月28日 KOREA WAVE】「昨年の教習費は月208万ウォン(1ウォン=約0.1円)です。これに読書室の費用は含まれます。教材費は1年に2回50万ウォン、コンテンツ費は理系の場合は毎月100万ウォン前後です」

韓国の医科大学とSKY(ソウル大学、高麗大学、延世大学)といった最上位圏の大学進学のための予備校として有名なソウル市江南区大峙洞(カンナムグ・テチドン)のA予備校。浪人生の受講料の問い合わせに対し、予備校関係者が明らかにした昨年の受講料だ。

この関係者の説明をもとにA校浪人生の受講料を計算すれば、基本受講料と読書設備、コンテンツ(資料)費、教材費など付加サービス費用を全て合わせて理科課程の場合月310万ウォン相当と推定される。国立大学の1学期の平均授業料(210万ウォン)より100万ウォン以上高い。浪人総合クラスは大体1月中旬から大学修学能力試験(修能)前の11月中旬までの10カ月間開かれるため、年に2回支払う教材費を含めて計3200万ウォンがかかるわけだ。

国立大学の1年平均授業料(420万ウォン)のほぼ8倍だ。子ども2人が同時に国立大学を卒業するまでかかる費用に匹敵する。A校が毎年受講料を引き上げてきたことからすると、来年1月に募集する浪人総合クラスの受講料はさらに高いものになりそうだ。

A校の1カ月受講料が国立大学の1学期の授業料より高い理由は、受講料以外に追加される費用のためでもある。入試業界関係者によると、A校は教育当局に必ずしも申告しなくても良い「読書室費」と、自主開発した週間学習教材費用である「コンテンツ費」を、教習費とともに必ず決済するよう求める「組み込み販売」によって「教習費のごまかし」を繰り返していたことがわかった。

受験生たちもこのような方式の「組み込み販売」で受講料が急騰したため、怒りを爆発させている。受験生入試に関するネットコミュニティでは、A校の高額受講料について「医大に行くための浪人費用が3000万ウォンを超えるので『金の匙をくわえて生まれてきた者』だけが払える」「全てを解くこともできない学習教材が繰り返し出てくるにもかかわらず、お金は全額払わなければならない」「必須コンテンツ費、必須特講費、選択特講費など支出項目が多すぎる」という反応を容易に見つけることができる。

コンテンツ費を支払って強制的に購入させられた学習教材を全て解くことができず、中古取引市場に売り出す場合も多い。中古ナラ、タングンマーケットなど中古取引プラットフォームには、この予備校の未開封の学習教材の売り物があふれている。

講義費以外の付加サービス費用は申告対象の教習費に該当せず、教育当局の取り締まりでも死角地帯に該当する。韓国政府が毎年、教習費超過徴収に対する取り締まりを実施すると広報しているが、このような「教習費ごまかし」は放置されてきた。

公正取引委員会は今年7月、教育省の要請を受け、大手入試予備校の「組み込み販売」に関する調査を実施したと明らかにしたが、調査結果はまだ発表していない。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News