【12⽉31⽇ Peopleʼs Daily】今年1-9月の中国の海洋経済総生産は前年同期比5.8%増の7兆2000億元(約143兆円)だった。中国の海洋経済は好調だ。

 まず、海洋経済の中でも従来型産業が好調だ。国家海洋情報センターの崔暁健(Cui Xiaojian)副主任によると、1-9月には中国の造船会社の海洋船舶の受注量が前年同期比40.2%増で、手持ちの受注量は同34.3%増だった。このことで造船会社の経営状態は回復した。崔副主任によると、中国の造船会社が手掛ける船舶の中ではハイテク投入型の高付加価値船舶が急増している。

 海洋資源の供給能力も着実に向上している。1-9月に全国で許可された海や島を利用するプロジェクトの件数は前年同期比4.6%増の1219件で、投資額は6000億元(約12兆円)以上に達した。1-9月には海洋原油の生産量が前年同期比4.6%増、海洋天然ガスでは同9.7%増だった。

 海洋新興産業の成長はさらに目覚ましい。海洋工事設備製造業の1-9月の完工引渡しの受領金額は前年同期比50.0%増で、世界シェアは64.3%だった。河北省(Hebei)、天津市(Tianjin)、山東省(Shandong)、江蘇省(Jiangsu)、浙江省(Zhejiang)では海水淡水化プロジェクトが進められており、1-9月に建設中あるいは新規着工のプロジェクトによる1日当たりの淡水生産量は30万トンを超える。

 海洋再生可能エネルギーの開発も大いに進展している。1-9月における洋上風力発電で建設中あるいは新規着工のプロジェクトによる容量累計は前年同期よりも約200万キロワット増加して約1940万キロワットに達した。潮流発電が安定的な商業運転を開始したことに続き、温度差発電と波力発電でも実証試験または試験発電が相次いで始まった。

 1-9月はコモディティ価格の下落や為替変動などの影響を受け、海運による貿易総額は前年同期比で1.3%減少したが、沿海港湾における貿易貨物取扱量は前年同期比で10%超増加した。

 海運貿易航路の新設も旺盛だ。遼寧省(Liaoning)の営口(Yingkou)港と南米を結ぶ鋼材運搬航路が開通し、大連(Dalian)港とフィリピンを結ぶ航路の運航も始まった。広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)の防城港では、同港とカンボジアを結ぶ航路の就航式が行われた。

 沿海港湾施設のレベルも引き上げられつつある。山東省の煙台(Yantai)港では30万トン原油埠頭(ふとう)第2期が稼働を開始し、同省の青島(Qingdao)港では自動船積み機が投入され、荷役効率が大幅に向上した。広西チワン族自治区の北部湾港ではスマートシステムにより、貨物取り扱いの迅速性や正確率、効率が大幅に向上した。

 自然資源部海洋戦略計画・経済局の何広順(He Guangshun)局長は「国のマクロ政策効果が奏功し続けていることと、経営主体が自信をつけていることで、海洋産業の内在的原動力が高まり続けています。中国の海洋経済は年内、安定しつつ発展する勢いを維持する見込みです」と説明した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News