【12月22日 AFP】欧州司法裁判所(European Court of Justice)は21日、欧州サッカー連盟(UEFA)と国際サッカー連盟(FIFA)が欧州スーパーリーグ構想を阻止するために用いた措置は欧州連合(EU)の法律に反するとの判決を下した。これを受け、同リーグのプロモーターは新たな計画を発表している。

 当初のスーパーリーグ計画は、各国内リーグに脅威を与えるとファンや既存リーグから怒りの声が上がった2021年以降、行き詰まりの状態となっていた。

 そうした中で裁判所は「例えばスーパーリーグのような新たなクラブ間のリーグプロジェクトに関し、事前の承認が必要であるとFIFAとUEFAの規則で定められていることは、EU法に違反している」と裁定した。

 また、UEFAが規則制定において独占的な立場にあり、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)のような独自の大会を開催する中で、ライバルとなる大会を認可する基準は「透明性や客観性があり、非差別的で均整が取られる」べきだとし、「しかしながら、FIFAとUEFAの権限にはそうした基準がなく、地位を乱用している」と指摘した。

 スーパーリーグに参加するクラブと選手に制裁を科すと警告した措置が違法と判断されたことは、UEFAとFIFAにとって深刻な敗訴を意味するものとなった。しかし、UEFAは今回の裁定について、あくまでも大会の「承認あるいは検証を意味するものではない」と強調した。

 一方、同リーグのプロジェクトを推進する企業「A22スポーツ・マネジメント(A22 Sports Management)」は、今回の裁定を後押しに新たなリーグ構想を発表。大会は計64クラブが昇格と降格を懸けて戦う方式で行われ、「新しい配信プラットフォーム」で無料生中継されるという。(c)AFP/Coralie FEBVRE / with Dave CLARK in Brussels