中国の90歳院士1着のズボンを30年も履くが 母校に6000万円を寄付
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【12月17日 CGTN Japanese】中国工程院の院士(アカデミー会員)でもあるハルビン工業大学の沈世釗教授(90)はこのほど、土木学院の発展を支援するためにハルビン工業大学教育発展基金会に300万元(約6000万円)を寄付しました。
贈呈式で沈教授は、自身が70年にわたってハルビン工業大学で勉強し、仕事をした経験を振り返り、研究チームを率いて研究課題に立ち向かう際の心得などを語りました。沈教授は、「ハルビン工業大学は私の家だ。生涯教師を務めた私にとって、学生は子どもと同じだ。自分の貯蓄で母校の人材育成に貢献できることはとても有意義だと思う」と話していました。
沈教授は母校に300万元を寄付しましたが、普段の生活は非常に質素で、数十年前に購入した服を今も着ています。ハルビン工業大学の孫瑛教授によると、沈教授がいつも着ている上着は20年、ズボンは30年前のもので、家にある調度品には70年使い古したものもあるということです。
中国の大スパン建築構造の開拓者である沈教授はかつて研究チームを率いて、世界最大口径の電波望遠鏡FAST(「天眼」とも呼ばれる)のアクティブ反射構造システムの設計に参加しました。予備研究から最終的な案を完成させるまで、8年間研究を重ねました。沈教授は合わせて600人以上の人材を育成しており、「若者は国の未来だ」として、今回の寄付を通じてより多くの優秀な学生が成長し、大役に耐え、重責を担える人材になるよう期待を示しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News