【12月6日 AFP】2024年のパリ五輪を約8か月後に控え、地域の交通当局のトップが5日、同市内の地下鉄や鉄道システムの「さらなる劣化」に対する懸念を示した。

 パリを含むイルドフランス(Ile-de-France)地域圏の知事で、同地域の公共交通機関を統括するIDFMのトップでもあるバレリー・ペクレス(Valerie Pecresse)氏は、パリの地下鉄システム「メトロ」を運営する公営事業者RATPは「立ち直る必要がある」と話し、通常の運行でも「満足のいく」結果を残せているのは、メトロ16路線のうち4路線しかないと続けた。

 また国営SNCFが運営する鉄道網RERでは、5路線のうち3路線に「問題がある」といい、「定時通りの運行という契約目標にできる限り早く立ち戻る必要がある」と強調した。

 IDFMは、問題の主因は運転士の不足だと考えているが、RATPは大量の荷物が放置されていることが遅れにつながっていると指摘している。特に混雑の激しい路線では、乗客の体調不良もよく運行に影響している。

 パリのアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長は11月、市内の交通システムの五輪へ向けた「準備は間に合わないだろう」と話し、ペクレス氏や政府の閣僚と素っ気ないやりとりを交わしていた。(c)AFP