【11月28日 CGTN Japanese】中国の科学者が主導する国際研究チームが月探査分野で得た重要な発見が国際学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)」で発表されました。同研究チームは、中国の「嫦娥5号」、米国の「アポロ」などによって持ち帰られた異なる時期の月サンプルのデータをベースに、新しい高精度の月面化学成分分布図を作成しました。この研究成果は月形成晩期におけるマグマ活動などへの研究で重要な意義があります。

 月面の化学成分は、月の形成と進化の過程が記録され、月の物質構成と鉱物岩石学的特徴を解明することにとって重要です。中国の吉林大学は、国内の中国科学院国家天文台のほか、イタリアのトレント大学、アイスランド大学などと連携して、異なる時期の月のサンプルデータを研究し、月面の主要元素含有量を精密に推定し、月の南北緯65度の間、画素当たり59メートルの高解像度化学成分分布図を作成しました。

 共同研究チームの責任者は、「新たに作成された月面化学成分分布図によって、月の火山活動に対する理解が大幅に向上し、月の地質進化の研究基礎も築かれた」と紹介しました。また、研究チームは最新の計算による元素含有量に基づいて、月の海の若い玄武岩ユニットを標定しました。これは、月形成の晩期におけるマグマ活動や熱進化の歴史研究などに信頼できるデータを提供します。(c)CGTN Japanese/AFPBB News