【11月23日 AFP】ロシアで今週「悪魔崇拝者」の殺人犯が釈放されたと報じられたのを受け、ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は22日、ウクライナでの戦闘に参加した受刑者に恩赦を与える方針に変更はないと述べた。

 ニコライ・オゴロビヤック(Nikolai Ogolobyak)元受刑者(33)は、2008年に10代若者4人を儀礼的に殺害したとして懲役20年を言い渡された。現地メディアは今週、オゴロビヤック元受刑者がウクライナでの戦闘に参加し、今月釈放されたと伝えた。

 クレムリンのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は記者会見で「現在、恩赦リストを総出で注意深く調べている」と述べた。
 
「改めて繰り返すが、最前線に立つことに関する特定の条件について協議している」「この点に関して修正はない」と続けた。

 現地メディア76.RUによると、オゴロビヤック元受刑者は2030年まで服役する予定だった。だが、ウクライナ侵攻の開始を受けて軍に召集され、受刑者らでつくる突撃部隊「ストームZ(Storm Z)」に配属された。オゴロビヤック元受刑者の父親は息子について、「(戦闘で)負傷し障害が残った」と語ったとされる。

 受刑者の権利団体を率いるオリガ・ロマノワ(Olga Romanova)氏の推計によれば、ロシアではこれまでに受刑者10万人がウクライナ侵攻に派遣される兵士として採用されている。

 この慣行は物議を醸しており、ロシアメディアによれば、こうして釈放された元受刑者が除隊後に殺人などの重罪を犯したケースが数例ある。(c)AFP