【11月22日 Xinhua News】中国山東省(Shandong)にある臨沂(りんぎ)大学地質・古生物研究所の張福成(Zhang Fucheng)教授率いる研究チームはこのほど、河北省(Hebei)承徳市(Chengde)豊寧満族自治県で見つかった1億3千万年以上前の「熱河生物群」の草食恐竜化石2体の発掘と修復に関する情報を公開した。うち1体は骨格と皮膚の化石が完全に近い状態で保存されていた。研究チームは化石本体の修復を既に終え、段階的な成果を得たという。

 研究チームの関係者によると、化石は2017年に一部が露出した状態で見つかり、数年かけて保存状態の良好な化石2体を発掘し、修復した。1体は原始的な角竜(つのりゅう)類で、全身の骨格がほぼ完全な状態で保存されていた。もう1体は剣竜類で、骨格や皮膚の模様の跡が100%に近い形で残されており、保存面積と状態の良さはまれに見るものだった。

 修復された剣竜類の体長は約5メートルで、骨格化石の周囲には完全な皮膚化石が散らばっていた。残されていた皮膚の面積は約3平方メートルで、うろこ状に並んだ筋がはっきりと確認できた。張氏は「骨格や歯などの硬い部分は化石になりやすいが、皮膚や筋肉などの軟組織は腐敗しやすく化石化の条件は極めて厳しい」と述べた。

 同研究所の郭穎(Guo Ying)副教授はうろこ状の表皮について「体を守るだけでなく、体内の水分を封じ込める効果もあった。水源への依存をある程度減らし、外的環境の変化に適応する能力を高めた」と説明した。

 剣竜類の恐竜化石が河北省で見つかったのは初めてで、白亜紀前期の中国北方地域で剣竜類の恐竜が活動していたことを示す有力な証拠となった。研究者は、化石が見つかった豊寧満族自治県とその周辺地域は1億3千年前に森林と水系が広く分布しており、集団を形成していた草食恐竜に有効な避難場所と十分な食料資源をもたらしたと指摘。大型恐竜や集団を形成する恐竜が生活する生態環境基盤になっていたと語った。

 研究者は今後、化石本体の修復成果を基に化石周辺の修復や科学研究、モデリング、復元図の作成などの作業を進めていく。(c)Xinhua News/AFPBB News