【11月20日 AFP】男子テニスのシーズン最終戦、ATPファイナルズ(ATP Finals 2023)は19日、イタリア・トリノ(Turin)でシングルス決勝が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は6-3、6-3で第4シードのヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)を下し、最多7回目の優勝を果たした。

 今季ここまで四大大会(グランドスラム)で3勝を挙げて史上最多の通算24勝に伸ばし、自身40回目のマスターズ1000(ATP Masters 1000)のタイトルも獲得して、36歳という年齢を感じさせないシーズンを送ってきたジョコビッチだが、今大会でまた一つ新たな記録を樹立し、ジョコビッチ時代がまだ続くことを予感させた。

 これでジョコビッチは、最終戦の優勝回数で引退したロジャー・フェデラー(Roger Federer)を一つ上回って単独最多となり、世界ランキング1位の在位期間は400週に到達する。

 今大会では準決勝でカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)、決勝でシナーという若手最強の2人をいずれもストレートで退け、唯一まだ獲得していない主要タイトルである金メダルが懸かるパリ五輪を来年に控える中、まだ力は衰えていないことを示した。

 ジョコビッチは「非常に特別で、これまででベストのシーズンの一つなのは間違いない」と話し、「アルカラス、シナー相手のここ2日間の内容を非常に誇りに思う。おそらく世界最高峰の選手たちで、現時点で自分と(ダニール・)メドベージェフ(Daniil Medvedev)に次ぐ存在だ。彼らのプレーに対しては、こちらもギアを上げないといけなかった」とコメントした。

 一方、イタリア選手初のファイナルズ優勝を目指したシナーは、ラウンドロビンではジョコビッチから見事な白星を挙げており、その快挙達成にふさわしい選手に見えたが、前日のアルカラス同様、ここぞのタイミングでコンディションをピークに持ってきた仕事人ジョコビッチに単純に太刀打ちできなかった。(c)AFP/Terry DALEY