ガザでの衝突が呼び水に 西岸で増える次世代の戦闘員
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【11月21日 AFP】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)ジェニン(Jenin)の難民キャンプにあるランドマークのモスク(イスラム礼拝所)とその周辺では、西岸で急増する暴力行為が頻繁に起きている。
イスラエル軍による急襲は増えており、パレスチナ人も抵抗する。過去の殉教者の肖像は新たな殉教者のポスターで次々と覆われる。数十年続く両者の衝突は、ガザ地区(Gaza Strip)でのイスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエルの今回の戦争によりさらに激しさを増している。
「モスクで葬儀があると、一般的には愛や思いやり、平和についての説教が行われる」とモスクの指導者であるイスマイル・ジャラダト(Ismail Jaradat)師(53)は話す。
「時には、死とそこから教訓を得ることの大切さについても話す」
モスクでは取材当日、殺害された武装勢力の戦闘員3人の葬儀が執り行われていた。
ハマスによる10月7日の奇襲で、イスラエル側では民間人を中心に1200人が死亡。これを受けてイスラエル側も激しい報復攻撃を続けており、西岸への侵入もエスカレートさせている。
ハマスの保健当局によると、ガザ地区では、これまでに1万3300人以上の死者が出ている。一方、西岸のパレスチナ当局は、犠牲者が150人以上に上っているとしている。西岸は1967年以降、イスラエルに占領されている。
国連(UN)によると、ジェニンの難民キャンプでは約2万3000人が生活している。このキャンプは、長年にわたってイスラエルの占領に対抗するパレスチナ武装勢力の温床だと考えられてきた。
イスラエルはここを「テロリストの拠点」と呼ぶ。近年では最大規模となる作戦を今年中頃に展開し、パレスチナ武装勢力の戦闘員や子どもら数人を殺害。負傷者も出た。
作戦中、イスラエル兵1人も命を落としたが、これは自軍による誤射だった。