麻薬王のカバ爆増、一部を殺処分へ コロンビア
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【11月3日 AFP】南米コロンビアのスサナ・ムハマッド(Susana Muhamad)環境・持続可能開発相は2日、麻薬王の故パブロ・エスコバル(Pablo Escobar)が輸入したカバの子孫166頭について、一部を殺処分する方針を明らかにした。
ムハマッド氏は記者団に対し、年内に20頭に不妊手術を施すと述べた。さらに「何頭か」を安楽死させると語ったが、具体的な数は明らかにしなかった。
1980年代、エスコバルが私設動物園用にアフリカから輸入したカバは、最初は小さな群れだった。だが、1993年にエスコバルが警察との銃撃戦で死亡した後、カバは川や沼地、湿地があり、サバンナ気候で餌が豊富なアンティオキア(Antioquia)州を自由に動き回るようになり、個体数は爆発的に増加した。
当局は不妊手術や国外の動物園への譲渡など、さまざまな対策を試みてきたが、抑制できていない。
環境省は昨年、世界で最も危険生物の一つとされるカバを外来種に指定し、殺処分の道を開いた。
カバの繁殖を抑え切れず、周辺の住民や野生動物に脅威を与えていると専門家は警告している。カバはマグダレナ(Magdalena)川沿いの漁村を襲ったり、校庭に侵入したりしたこともある。
専門家は、このままでは国内のカバは2035年までに1000頭に達する恐れがあると警告している。一方、動物愛護活動家らは、不妊手術はカバに苦痛を与え、実施する獣医師にも大きな危険が伴うと主張している。(c)AFP