【11月1日 AFP】ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)大統領は1日、訪問先の東アフリカ・タンザニアで、自国が植民地支配中に犯した犯罪を「恥じる」と述べるとともに、その残虐行為に関する自国民の認識を高めていくと約束した。

 独領東アフリカの一部だったタンザニアでは、1905~07年に植民地史上最大の流血の惨事といわれるマジマジ反乱(Maji Maji Rebellion)が起きた。専門家によるとこの反乱の際、独軍によって20万~30万人の先住民が虐殺された。

 シュタインマイヤー氏は、反乱の歴史を伝える南部ソンゲア(Songea)のマジマジ博物館(Maji Maji Museum)を訪問。独軍による虐殺を「恥」だと明言し、「ドイツ人があなた方の祖先にしたことに許しを請いたい」と述べた。

 また「ここで起きたことは、われわれが共有する歴史だ。あなた方の祖先の歴史であり、ドイツにおけるわれわれの祖先の歴史だ」と述べ、さらに「われわれドイツ人は、あなた方が心を休めることのできない未解決の答えを共に探していくことを約束したい」とし、過去の「共同処理」に取り組む用意があると述べた。

 シュタインマイヤー氏は前日の10月31日、ダルエスサラームでサミア・スルフ・ハッサン(Samia Suluhu Hassan)大統領と会談した際、植民地時代にタンザニアから略奪された「文化財や遺骨の返還」に関し、国として協力する姿勢を示していた。

 英国のチャールズ国王(King Charles III)も同日、訪問先のケニアで、植民地時代の独立運動を英国が弾圧したことについて「忌まわしく、正当化できない暴力行為」があったと認め、「過去の過ちについて最も深い悲しみと遺憾」を表明した。(c)AFP