【10月14日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部は13日、イスラエルが住民110万人に退避を通告し、地上侵攻が現実味を帯びる中、南部に避難しようと混乱状態になった人であふれかえった。だが、行く当てがない人も大勢いる。

 国連(UN)は12日、イスラエルに対し、ガザ北部の住民に対する退避通告を撤回するよう求めた。

 しかしその間もイスラエル軍は、戦闘機から数千枚のビラをガザ地区に投下し、南部に避難するよう促した。軍は退避には「時間がかかる」可能性があると認めており、期限は不透明なままだ。

 362平方キロの土地に240万人が住む人口密集地の南部を目指し、車や徒歩で移動する人もいた。

 移動手段や行く当てがなく、北部に残ることを選んでいる人も多い。

 住民の女性(29)は、「どこに行けばいいのか」「攻撃と死はいつまで続くのか。私たちには住む家もない。ガザのすべての地域が危険にさらされている」と泣きながら語った。

 住民の男性(43)もとどまるつもりだ。「世界は私たちに何を求めているのか。私はガザの難民だが、また追放したいのか」と訴えた。「逃げた先で路上に子どもと寝ろとでも? そんなことはしない。屈辱的な生活は望まない」 (c)AFP/Adel ZAANOUN / Mai YAGHI