【10月15日 CGTN Japanese】中国科学院南京地質古生物研究所によりますと、中国、米国、スウェーデン、ドイツの古生物学者からなるチームはこのほど、中国陝西省(Shaanxi)南部で出土した約5億3500万年前の太古の化石について研究し、五つの輪のような形をした動物の筋肉化石を新たに発見しました。科学研究者は、この筋肉について、動物の口周辺にあったものである可能性が高く、太古の動物はその収縮と拡張によって食事を取っていたと判断しました。

 この研究を主導した中国科学院南京地質古生物研究所の張華僑研究員によりますと、今回発見された動物の筋肉化石は三つあり、うち一つは筋肉構造を完全に保存しています。形を見ると、この筋肉は五つの輪のような構造をしていて、頂部から底部まで五つの直径が徐々に大きくなる輪からなり、最大の輪の直径は約3ミリです。

 研究チームは、緻密な形態学的研究と比較を経て、今回発見された筋肉化石が環形動物に属すると判断しました。この種の動物は節足動物の近縁であり、現在もハリガネムシや回虫、エラヒキムシなどが生息しています。また、五つの輪の形をした筋肉は、動物の口周辺にあったものである可能性が高く、放射状と縦に並んだ構造は筋肉全体の収縮と拡張をけん引し、一番上の輪は下の四つの輪の中に引き込まれることも可能で、太古の環形動物はこのような動作によって食事を取ったり、移動を助けたりしていました。

 研究成果は11日、権威ある学術誌「プロシーディングス・オブ・ザ・ロイヤル・ソサエティーB:バイオロジカル・サイエンシズ」(電子版)に掲載されました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News