【10月7日 CNS】中国・杭州市(Hangzhou)で開催の第19回アジア競技大会(19th Asian GamesAsiad)のエレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)競技は、10月3日にDOTA2Valve Corporationが開発したマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナゲーム)の金メダルの誕生とともに、全競技が終了した。中国チームは金メダル4枚、銅メダル1枚で金メダル獲得数トップに立ち、韓国チームは金メダル2枚、銀メダル1枚、銅メダル1枚で2位に、タイチームは金メダル1枚、銀メダル1枚、銅メダル2枚で3位にランクインした。

 以前、eスポーツはジャカルタで開催された第18回アジア競技大会(18th Asian GamesAsiad)で公開競技として登場した。今回の杭州アジア競技大会で再びアジアの「eスポーツの火」がついた。

 アジアeスポーツ連盟(AESF)の会長、霍啓剛(Huo Qigang)氏は以前、「アジアのeスポーツは急速に発展する産業となり、大きなポテンシャルが引き出され、異なる背景、文化、国家の人びとをつなげている」と述べている。

 杭州アジア競技大会の40の競技種目の中で、eスポーツは「知力競技」に分類されている。ウォッチャーは、eスポーツを伝統的でシリアスなスポーツの基準に近けることで、大衆から認めてもらおうとしていると指摘している。

 実際、eスポーツへの外部の認識は、アジア競技大会などの国際スポーツ大会を通じて大きく変わってきている。観客は杭州のeスポーツ専門競技施設で試合を観戦する際、ゲーム中毒とeスポーツは全くの別ものであることを実感した。

 中国では、eスポーツのユーザー数は約4億8700万人に達し、増加傾向にある。中国オーディオビジュアル・デジタル出版協会(CADPA)が発表した『2023年1〜6月中国eスポーツ産業レポート』によれば、今年上半期に中国のeスポーツ産業全体の収入は759億9300万元(約1兆5539億円)で、前期比11.74%増となった。

 中国社会科学院新メディア研究センターの黄楚新(Huang Chuxin)氏などの専門家は、eスポーツとアジア競技大会などの伝統的なスポーツ大会は早急に調整を完了し、ルール、基準、システムを改善し、関連人材の育成を加速することで、eスポーツ産業の経済的および文化的価値をさらに引き出すべきだとみている。

 注目すべきは、国際オリンピック委員会(IOC)がeスポーツに強い関心を持っていることだ。今年6月には、初のオリンピックeスポーツウィークがシンガポールで開催され、IOCが主催する初の「eスポーツ(Esports)」と名付けられたリアルでの大会となった。IOCは何度も公に、「若者」や「新しい流行」に対して開放的な姿勢を取り続けることを表明しており、スケートボードやブレイクダンス、サーフィンなどの競技のオリンピック種目の採用から見ても、eスポーツのオリンピック種目の採用はもはや時間の問題に過ぎない。(c)CNS/JCM/AFPBB News