【10月6日 AFP】中国・杭州(Hangzhou)で開催中の第19回アジア競技大会(19th Asian GamesAsiad)で北朝鮮が国旗掲揚を繰り返している問題で、世界反ドーピング機関(WADA)は6日、大会を主催するアジアオリンピック評議会(OCA)に対し、この事態を「非常に深刻」に捉えているとして、重大な「結果」を招く可能性があると警告した。

 WADAは2021年、北朝鮮の国内反ドーピング機関が基準を満たしていないとして、五輪とパラリンピックを除く国際大会での国旗掲揚を禁止した。制裁は現在も継続中だが、北朝鮮は今大会の開会式で国旗を掲げ、自国の選手がメダルを獲得したときも繰り返し掲揚を行っている。

 OCAのランディル・シン(Raja Randhir Singh)会長代行は前週、北朝鮮の国旗掲揚を認めていることを擁護する姿勢を示した。

 一方、WADAはAFPに対し、OCAがWADAの定める反ドーピング規定に署名している団体としての義務に違反していると指摘。この問題が無視された場合に起こりうる重大な結果について、開会式の前後に複数回説明してきたとし、適切な処分を下すための正当な手続きを踏んでいく意向だと明かした。

 WADAがOCAに科す可能性がある制裁は、国際オリンピック委員会(IOC)からの資金提供の打ち切りをはじめ、五輪・パラリンピックの予選大会としての資格剥奪や罰金などがある。

 この件に関するAFPの取材に対し、OCAはコメントを拒否した。(c)AFP/Martin Parry with Daniel Hicks