【10月1日 AFP】第19回アジア競技大会(19th Asian GamesAsiad)は30日、重量挙げの2種目が行われ、数年ぶりに国際舞台に復帰した北朝鮮の2選手がいずれも世界新記録を出して金メダルを獲得した。

 北朝鮮勢は、女子49キロ級のリ・ソングム(Ri Song-gum)がクリーン&ジャークで122キロを挙げて金メダルを確定させると、さらにこれまでの世界記録を4キロ上回る124キロにも成功。合計216キロの世界記録を樹立すると喜びに飛び跳ね、涙を流しながらコーチと抱き合った。

 リは5年前の前回大会でも、当時採用されていた48キロ級で優勝しており、2大会連続の金メダルとなった。

 女子55キロ級では、国際大会での実績がまったくないカン・ヒョンヨン(Kang Hyong-yong)が金メダルを獲得。スナッチ103キロ、ジャーク130キロ、合計233キロのすべてが世界新記録だった。

 北朝鮮は、国内反ドーピング機関が基準を満たしていないとして、世界反ドーピング機関(WADA)から五輪とパラリンピックを除く国際大会で国旗の掲揚を禁止されているが、表彰式では北朝鮮国旗がはためき、リとカンは涙を流しながら国旗に敬礼した。

 北朝鮮は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を理由に国際舞台を離れ、2021年の東京五輪は不参加。それを理由に昨年の北京冬季五輪も参加を禁止されていた。

 重量挙げ代表は6月にキューバで行われた大会への出場を予定し、そこで国際復帰を果たすはずだったが、北朝鮮の選手が2019年から薬物検査を受けていないとして他国の選手が猛反発する中、結局は大会に姿を見せなかった。(c)AFP/Daniel HICKS