【10月1日 CGTN Japanese】中国各地で近年、「天賦遺伝子」を測る検査が流行しています。子どもの知能指数、心の知能指数、運動、芸術など生まれつきの才能と潜在能力を測るこの検査が物議を醸しています。

 いくつかの電子商取引(EC)サイトでは、天賦遺伝子検査サービスの価格が400元(約8000円)から1万元(約20万円)までとさまざまです。測定内容と形式もそれぞれ異なり、価格が高いコースには言語、音楽、論理的思考、運動、ビジュアル空間、社交、自然探索、自己認識の8種類40項目の天賦能力測定が含まれます。一部の業者は、測定対象者の年齢について0~12歳の子どもと注記しています。関連データを海外の実験室に郵送して、より大きなデータベースで基準を参照して分析ができるとアピールしている業者もあります。測定後、大量のデータとグラフがアウトプットされ、対象となる児童の学習能力、記憶能力、ストレス耐性、言語潜在能力、交際潜在能力、運動潜在能力などの分析が定量的に示されます。測定結果に基づいて、子育てができるということです。

 ある専門家は、一部の会社には概念乱用の疑いがあり、遺伝子と天賦の関連分析を拡大し、ハイテクの名を借りて消費者をだましていると指摘しています。

 遼寧省(Liaoning)瀋陽市(Shenyang)のある病院で臨床遺伝科の副主任医師を務める李暁莉氏は、「現在、多くの疾病は遺伝子に病因を見つけることができる。遺伝子スクリーニングを通じて、遺伝性疾病と先天性疾病の赤ちゃんの誕生を避けることができるほか、さらに一部の慢性病も遺伝子に発症原因を見つけることができ、そして遺伝子介入を通じて予防、診断、治療を行うこともできる。実際、人間の天賦は具体的にどんな遺伝子によってどのように決定されるか、現在の科学技術レベルでは正確に回答できない。例えば、知能指数は遺伝子と密接な関係があるが、それは数千ないし数万もの遺伝子によって総合的に決定されており、遺伝子配列測定の角度から見ると、特定の子どもの知能指数と天賦を測るのは難しい」と述べました。

 専門家は、親は子どもと親密な関係を築き、積極的に交流し、子どもの心や知力などの全面的な成長を促すべきだとアドバイスしています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News