【9月13日 AFP】イタリア・ベネチア(Venice)市議会は12日、「オーバーツーリズム」問題が指摘される同市の歴史地区を訪れる日帰り客を対象に来春から5ユーロ(約790円)の入場料を試験的に徴収する計画を賛成多数で承認した。国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)は7月、世界遺産に登録されているベネチアを危機遺産に加えるよう勧告していた。

 承認を受け、ルイジ・ブルニャーロ(Luigi Brugnaro)市長は「第一歩だ」と評価した。採決に先立ち、議場で数十人と怒鳴り合いとなり、ブルニャーロ氏が反対派を「暴力的なファシスト」と非難する一幕もあった。

 反対派は、入場料の徴収はユネスコに譲歩した短絡的な措置で、観光客を減らす効果があるのか調査もしていないと非難。

 一部の議員は「50ユーロ(約7900円)ならまだしも」「(5ユーロでは)観光客がベネチアを訪れる意欲をそぐことはできない」と指摘している。

 公式の統計によると、昨年ベネチアの歴史地区を訪れた観光客は宿泊客だけで約320万人。

 入場料の徴収は、1泊以上の宿泊客と14歳以下の子どもは免除される。来年の試験期間は最大30日で、特に混雑する週末を挟んだ連休や祝日などに導入される。(c)AFP/Alexandria SAGE