【9月6日 東方新報】第19回アジア競技大会(19th Asian GamesAsiad)が、9月23日から中国の杭州市(Hanzhou)で開催される。この大会に日本チームは参加するのだろうか? また、日本政府から開幕式に参加する人はいるのだろうか?

 今大会は本来昨年の開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で今年に延期されていた。この間にイスラエル、オーストラリアなどいくつかの国が本大会への不参加を表明した。感染症まん延の時期は過ぎ去ったにもかかわらず一部の国が不参加を表明した背景には、地政学的な政治問題があるのではないかと思われる。

 しかしどんな理由があるにせよ、アジア大会を辞退するのは非常に遺憾なことではある。政治は政治、スポーツはスポーツであり、政治的な要素は介入させない方が良い。

 一方で日本やインド、韓国といったアジアの主要国は参加を決めている。日本は参加しないのではという心配もすでになくなった。アジアのそして世界的なスポーツの祭典は、その意義を失わずに済んだ。

 五輪の精神は、人類の進歩と平和と友好の普遍的価値だと言われている。アジア大会も、それぞれ異なる国や地域から参集する人びとがみな求めるのは、この普遍的な価値なのだ。

 主催国の中国はすでに参加国の政府に開幕式への招待状を発送したと聞く。日本にももう届いているはずだ。

 周知のごとく、現在の日中関係は非常に敏感で難しい局面にある。このような局面で、中国はアジア大会を機に日本にオリーブの枝、すなわち「会話の契機」を差し出している。

 日本政府の指導者たちは果たして杭州に行くべきか否か? その答えは「イエス」であろう。日本はこの機会を捉えて、政府の高官や指導者が杭州まで「砕氷の旅」に出かけるのが良いのではないか。

 日中両国の指導者は、会わないよりも会う方が良いし、話さないよりも話した方が良い。日本と中国の間にはあれやこれやの問題や矛盾が存在するが、両国は引っ越すこともできない永遠の隣国なのだ。

「和をもって貴しとなす、平和友好」。これが日中両国の関係における永遠の主軸であり、大局なのだ。(c)東方新報/AFPBB News