「墨子サーベイ望遠鏡」が試験観測段階に 9月中旬に正式観測開始
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【9月5日 CGTN Japanese】中国科学院紫金山天文台青海観測ステーションが4日に明らかにしたところによりますと、北半球時間領域サーベイ観測の口径が最大で能力が最強の「墨子サーベイ望遠鏡」がプロジェクト調整と試験観測段階に入り、9月中旬に正式に観測を開始する予定です。
墨子サーベイ望遠鏡はワイドフィールドサーベイ望遠鏡(WFST)で、中国西部の青海省(Qinghai)海西蒙古族チベット族自治州にある冷湖天文観測基地で2019年に着工した、中国科学技術大学と中国科学院紫金山天文台の共同建設による天文学科プラットフォームです。同望遠鏡の主鏡の口径は2.5メートルで、7.65億ピクセルの大面積メインフォーカスカメラを搭載し、主な科学目標は天文動的事象の捜索とモニタリングおよび時間領域天文の観測研究の展開です。
中国科学院紫金山天文台青海観測ステーションのチーフエンジニア、婁錚氏によりますと、現在行われている作業は、望遠鏡の結像画質を最適化することで、同時にその指向追跡性能をさらに最適化しなければなりません。この2日間はテスト観測の段階に入りました。観測が正式に始まれば、一部の銀河系外の遠い星系や星系団などの天体シグナルを含む非常に暗く、非常に遠い天体シグナルを探査することができます。
冷湖天文観測基地がある地域の平均標高は約4000メートルで、植生の被度が低く、空気が薄く、降雨量が少なく、シーイング(天体を観測する際の大気の状態の適性)が良く、人工照明による汚染が少ないという特殊な条件により、ユーラシア大陸全体で最も良質な天文台地点の一つとなっています。2017年の建設開始以来、冷湖天文観測基地ではこれまでに、11の科学研究機関の12の望遠鏡プロジェクトが実施され、投資総額は27億元(約540億円)に達しています。すべて完成すれば、アジア最大の天文観測基地となります。(c)CGTN Japanese/AFPBB News