【9月9日 CGTN Japanese】引退した警察犬の「黒沢(Hei Ze)」は昨年、余命がわずかと感じたのか、派出所から秘かに「身を引き」ました。残された映像は、多くのネットユーザーの涙を誘いました。黒沢は幸いにも発見されましたが、最近になり病気で死にました。葬儀の最中には突然に大雨が降り、派出所の警察官らは雨に打たれながら涙を流して黒沢に別れを告げました。

 黒沢は優秀なジャーマンシェパードで、2015年に中国南西部に位置する雲南省(Yunnan)郎恒辺境派出所に配置されました。黒沢は2022年4月に引退するまでの7年間に累計2500回以上も出動し、「ノーミス」の成果を上げました。黒沢は昨年11月、余命が残りわずかと感じたのか、派出所をそっと出て近くの山で黙々と最期を待つことを選びました。幸いにして、派出所の警察官は防犯カメラの映像をたどって黒沢を見つけました。映像に残された、黒沢が1匹で派出所を出た際に、恋しそうに何度も振り向いて、次に決心したように山に向かって遠ざかる姿に、多くのネットユーザーが涙を流しました。

 黒沢は最近になり体が極度に弱ってしまいました。訓練官の蘇裕廉(Su Yulian)さんは仕事を休んで約200キロ離れた文山市(Wenshan)に薬を買いに行きました。でも、それが永遠の別れとなってしまいました。蘇さんが翌日薬を持って戻ってきた時、黒沢はすでに死んでいました。警察官らは黒沢のために簡素な葬儀を営みましたが、葬儀会場は突然の大雨に見舞われました。蘇さんら警察官は雨に打たれながら、「戦友」だった黒沢に敬意を表して警務室の裏庭に埋葬しました。蘇さんは、「黒沢は自分の仕事を深く愛していた。私たちのそばに永遠に寄り添ってくれると感じる」と語りました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News