2000年以上前の暑気払いの神器、古代中国の貴族は冷や酒を楽しんでいた
このニュースをシェア
【7月9日 CGTN Japanese】暑い夏には、冷やした酒を飲めば、暑気が和らぐでしょう。中国では2000年以上前の戦国時代(紀元前476~221年)初期に、酒を冷やすための青磁の道具が出現していました。このほど、夏の暑さをしのぐこの「氷酒器」がテレビ番組でも取り上げられました。
この氷酒器は大小2つの円盤で構成されている組み立て式で、出土したのは中国東部の江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)鴻山にある戦国時代の「越国」の貴族の墓で、現在は南京博物館に所蔵されています。この文化財は不思議な形をしており、多くの使い方があります。
氷酒器には小さな円盤が上部にあり、盃やその他の器を入れるための13個の丸い穴があります。台座には三つの支持部分があります。その下には、一回り大きい受け皿があります。専門家の推測によると、この氷酒器は受け皿の中に氷をいっぱい入れ、水を加えて氷水にして、酒を満たした盃を上部の小さい円盤の丸い穴にはめ込んで使います。氷水は触れた物を急冷し、小さな酒杯に注がれた酒は、すぐに冷酒になります。
中国の戦国時代の詩人である屈原の『楚辞・招魂』には「挫糟冻饮,酎清凉些(盃を満たす氷凍した甘き酒、口に含めばまことに涼なり)」と詠まれています。当時の貴族の宴席では、米から作った酒を冷やして飲むことが、当たり前のように行われていたことがわかります。
ところで、古代の中国人は夏にどうやって氷を作っていたのでしょうか。中国には氷を貯蔵して利用する非常に長い歴史があります。夏に欲しい氷は、冬の間に貯蔵していました。中国最古の詩集である『詩経』は、「二之日凿冰冲冲,三之日纳于凌阴」との記述があります。これは、12月には氷を割り砕き、正月にはそれを氷室に密閉するということです。古代の中国人はこのようにして、夏に使う氷を長く保存することができました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News