■「いつかうちにも警察が」

 マルティンカは現在、7人で運営されており、ドイツの首都ベルリンとウクライナの首都キーウを拠点としているメンバーもいる。昨年3月以降、1000人以上の相談に乗ってきた。

 相談は中絶に関することだけではない。心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ女性や人身売買の被害者からのメッセージも届く。

 相談内容で多いのは、恋愛関係にあると思わせて女性を性的に搾取する「ボーイフレンド・モデル」と呼ばれる事例だという。

 ポドロジアさんは、「難民の女性が、知り合った男性を好きになり、一緒に暮らすようになる」「その後、薬物を投与され、他の男性との性交渉やアダルト動画への出演を強要されるケースが多い」と説明した。

 これ以外に多いのは、ドメスティックバイオレンス(DV)を受けた人だという。

 最近支援したウクライナ人少女の場合、激しい虐待を受け、妊娠していた。しかし、ウクライナから直接避難してきたわけではなかったため、法的に難民と見なされず、無料で医療を受ける資格がなかった。

 そこでマルティンカのメンバーは弁護士に相談し、改めてウクライナからポーランドに入国するよう手配した。少女はその後、出産した。

「マルティンカが支援しているのは大半が中絶だと思われるが、結果的にそうなっただけ。私たちは妊娠中絶の合法化を支持し、母親たちを全面的に支援している」とポドロジアさんは語った。

 ポーランドでは、中絶擁護派の団体は苦境に立たされている。今年3月には、妊娠中の女性に経口中絶薬を提供したとして活動家のユスティナ・ビドリンスカ(Justyna Wydrzynska)氏が有罪判決を受けた。

「いつか、うちにも警察がやって来るかもしれない」とポドロジアさんは言う。

「でも、私たちが手を差し伸べる人たちからの言葉を聞くと、支援してよかったと思える。そうした(感謝の)言葉をたくさん受け取ってきた」と話した。(c)AFP/Magdalena PACIOREK