【8月19日 東方新報】中国の税関総署によると、中国の1~7月の輸出入総額は前年同期比0.4パーセント増の23兆5500億元(約470兆9740億円)に上った。このうち輸出が1.5パーセント増の13兆4700億元(約269兆3852億円)、輸入が1.1パーセント減の10兆800億元(約201兆5889億円)。貿易黒字額は3兆3900億元(約67兆7693億円)に達した。

 中国では上半期(1~6月)の輸出入総額が今年初めて20兆円(約399兆9780億円)を突破している。税関総署統計分析局の呂大良(Lv Daliang)局長は「7月の輸出入額も3兆4600億元(約69兆1962億円)に上り、(コロナ禍前の)2019年より25.7パーセント増えている。対外貿易は長期的に良い方向に安定している」と説明する。

 輸出をけん引しているのが、「新三様(新・御三家)」といわれる電気自動車(EV)、リチウム電池、太陽電池だ。

 中国自動車工業協会によると、今年上半期の自動車輸出台数は前年同期比75.7パーセント増の214万台。日本の輸出台数202万台を抜いて世界一となった。その中国の自動車輸出のうち、新エネルギー車(電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車)は前年同期比2.6倍の53万台に上っている。

 リチウム電池は第1四半期(1~3月)に前年同期比94.3パーセント増の1097億9000万元(約2兆1957億円)と過去最高の伸びを記録。米国、ドイツ、韓国、オランダ、ベトナムなどへの輸出が多くを占める。太陽光発電用のシリコンウエハー、電池セル、太陽光モジュールなどの太陽光発電関連製品の輸出額は上半期の概算で4兆円規模となっている。

 中国機械工業連合会の羅俊傑(Luo Junjie)執行副会長は、「絶えず複雑に変化する国際貿易環境の中、中国は常に輸出製品の最適化を図りながら競争力を強化している。電気自動車、リチウム電池、太陽電池はその中心的役割を果たしている」と話す。

 中国が1978年に改革開放政策を始めて経済の自由化に踏み切って以降、当初の「輸出御三家」は衣類、家具、家電だった。人力による作業に頼った労働集約型の軽工業が中心で、「世界の工場」として輸出を続けた。半世紀近い時を経て中国の産業界は資本集約型に移行し、技術革新を繰り返してハイテク産業で世界の先端レベルに達してきている。(c)東方新報/AFPBB News