港に浮かぶ収容施設、住民分断の種に 難航する英不法移民対策
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■住民の激しい反対で計画撤回も
保守党政権は、英仏海峡(English Channel)からの不法入国を撲滅すると約束しているが、これまでのところほぼ失敗している。
7月には、同海峡を渡り不法入国した移民の亡命申請を認めない新法が施行されたが、国連(UN)は批判している。
昨年は4万5000人以上が、今年は8月までに約1万5000人が英仏海峡を渡った。
政府はまた、年23億ポンド(約4200億円)規模に上る、亡命希望者のためのホテル宿泊費の削減も目指している。ホテルの代わりに、軍事基地跡や水上収容所、さらにはテントも使用したい考えだ。
しかし、水上収容施設の受け入れに合意したのはこれまでのところポートランドだけとなっている。受け入れ先が確保できず、断念されたケースもあった。
ポートランドに住む30代のアレックス・ベイリーさんは水上収容施設に断固反対だ。「事前に相談がなかった。私たちは検討も合意もしていない」と強調する。移民と政府への批判を共有するフェイスブック(Facebook)ページ「はしけにNO(No to the barge)」を有志と共に立ち上げた。
政府はホテルから移民を移動させるためのさまざまな策を講じているが、難航している。
イングランド北部の使われなくなった軍事基地で、亡命希望者2000人を収容する計画が進められていた。だが、施設の電気、ガス、水道を管理する資格を持った職員が見つけられず、先週、収容開始が延期された。
同じくイングランド北部の村リントンオンウーズ(Linton-on-Ouse)でも同様の計画があったが、地元住民の激しい反発を受け、昨年撤回された。
また、物議を醸していた英国に入国した不法移民を出身国に関係なくルワンダに移送する計画は、人権上の問題から裁判所で争われており実現していない。(c)AFP/Valentine GRAVELEAU