突破口を模索する中国スマートフォン業界
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【8月1日 東方新報】中国情報通信研究院が発表した今年5月における中国のスマートフォン出荷台数は2603万7000台、前年同期比25.2%の伸びで、直近1年半では2番目の伸び率を示した。中国の単月出荷台数は2月以来増加に転じ、スマホ業界にとって多少楽観できる状況となっている。
実際、最近数年のスマホ市場はずっと頭打ち状態が続いていた。過去10年間、移動通信網の建設、継続的なスマホ新機種への交代、出荷量と金額の増加が続いた。しかし直近数年は、スマホの普及に伴い市場は成熟し、突出的な新技術が組み込まれず、ユーザーのスマホ交換サイクルは自然と長くなる一方だった。
かつては新機能付き新型スマホを追い求めていたユーザーが、今や既存機種を長期間使用する傾向に変わってきた。結局のところ今のスマホは一種の「プラットフォーム」で、スマホを取り換えるには多くのアプリケーションやデータを移行させる必要があり、簡単なことではなくなっている。
技術が急速に進歩し、通信ネットワーク建設が広範囲に普及した時代に、国内のスマホメーカーとその関連企業は「時代の波」に乗った。2008年、スマホメーカー世界トップ6のうち、国産ブランドは1社しか入っていなかったが、21年にはスマホ出荷台数世界トップ5のうち、中国ブランドが3社を占め、全世界市場シェアの35%に達している。
もっと重要なことは、スマホ業界とその上流、下流に関わる多くの企業群の存在だ。中国の企業情報調査アプリ天眼査(Tianyancha)のデータによると、中国における現在のスマホ関連企業数は148万5000社に上る。頂点に立つスマホメーカーの好不況は、その上流、下流に位置する企業に多大な影響を与える。この産業群の規模は巨大で、それゆえスマホメーカーの発展が及ぼす範囲は極めて大きい。
通信分野に突出的な応用技術が見られないときにスマホメーカーが行うべきことは、既存の市場で決まりきった大きさのケーキ(市場)の奪い合いではなく、ケーキの大きさを出来るだけ大きくする努力である。
大きくするための前提として、まず今の市場の法則を尊重しなければならない。すなわち、ユーザーがすでに新しい消費習慣を身につけていること、市場の新たな発展はやはり新技術がもたらすということだ。
現在の中国市場については、消費者のスマホ交換周期が長くなり続ける中、スマホに対する総合的な要求もますます高まり、高性能機種のスマホ市場のニーズが増加するということが言える。今年2四半期を見ると、高性能機種のスマホ市場全体への貢献度が過去最大となり、市場シェアの20パーセントを突破している。
新興市場について言えば、その範囲はより広く、一つは「空間的な新興市場」、もう一つは「時間的な新興市場」がある。空間的な広がりで言えば、現在多くの発展途上国の通信ネットワークが建設、発展中で、これらの国のスマホ需要は増加中だ。どのようにしてこの市場に進出するか、地域に応じた有効な対策を検討する必要がある。しかし、海外市場もまた最終的には有限であり、スマホ需要が天井に達すればやはり成熟市場に入る。
一方、「時間的な新興市場」は無限だと言える。将来、技術蓄積が一定程度に達すれば、関連技術のブレークスルーが起きる。現在、多くのスマホメーカーが技術的な突破口を目指して、ウェアラブルデバイスや仮想現実(VR)技術などの分野に力を入れている。これら新技術の探求が必ず実用的な成果を上げるとは限らないが、将来の市場を見すえた努力は不可欠だ。
スマホの登場から普及まで、世界のスマホ市場は大きく変化し、中国メーカーはこの変化の波に乗り、世界市場で優れた成績を収めた。これは関連メーカーのイノベーションとトライアルのたまものであり、また基盤設備の建設とも密接に関わるものだ。
技術の進歩は止まることなく新技術が次々に開発される中で、次のブレークスルーがいつ起きてもおかしくない。中国企業が次の市場の新しい波に乗れるかどうか、さらに言えば、その波をリードできるかどうか、やるべきことはまだまだたくさんある。(c)東方新報/AFPBB News