ソウル市瑞草区のソウル中央地裁駐車場で発見されたヒイロトゲナシケバエ(c)news1
ソウル市瑞草区のソウル中央地裁駐車場で発見されたヒイロトゲナシケバエ(c)news1

【06月28日 KOREA WAVE】ソウル市北西部を中心に昨年出没した「ヒイロトゲナシケバエ」が、今年は同市冠岳区(クァナクク)、江南区(カンナムグ)など全域で現れている。交尾をしたまま飛び回るため“ラブバグ(Love Bug)”と呼ばれるこのヒイロトゲナシケバエが、なぜ漢江以南、さらには京畿道(キョンギド)と仁川(インチョン)まで広がったのか。

専門家は大きく3つの仮説を提示した。

まず、昨年発生した個体が競争を繰り返し、その結果、生息地が広がった可能性だ。国立生物資源館のパク・ソンジェ研究官は「限られた空間に個体が多くいれば生息地・餌競争が起きてくる。ヒイロトゲナシケバエのように大発生する種は成虫が周辺に自然に広がり、産卵する傾向がある」と説明する。

次に、外国から入ってきた可能性だ。ヒイロトゲナシケバエが昨年から本格的に発見されたのも、外国から流入したためだ。専門家はヒイロトゲナシケバエが外国から来たとすれば、仁川(インチョン)港湾を通って流入した可能性が最も高いと見ている。

もう一つが、ヒイロトゲナシケバエへの対応が積極的になった点。市民がヒイロトゲナシケバエを発見すれば、その情報を積極的に通報しているというわけだ。恩平区(ウンピョング)によると、今月13~22日、ヒイロトゲナシケバエの情報が1900件余り受け付けられた。麻浦(マポ)や東大門(トンデムン)、永登浦(ヨンドゥンポ)の各区でも情報が多数受け付けられている。

ヒイロトゲナシケバエは昨年12月、韓国で未記録種として登録された。パク研究官は「ヒイロトゲナシケバエの遺伝子を分析した結果、韓国在来種のヒメセアカケバエとは異なる種という事実が明らかになった。韓国で新たに発見された種」と指摘する。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News