■正しい道に戻るために

 中国では、犯罪者は刑罰と矯正、教育、労働を通じて、法を順守する国民に変えられるとされている。

 受刑者は通常、製造関連などの刑務作業に就く。ただ、出所後に必要となる技能を身につけられるケースはほぼないと、支援の提供者は指摘する。

 納棺師は、元受刑者にとっては就業しやすい職種だ。しかし、「死」にまつわる偏見のため、社会的地位を得るのは難しい。

 それでも、元受刑者という立場ゆえに社会の中で疎外感を募らせている人にとっては、就労に向けたハードルが低く、「適した」仕事だと、プログラムを立ち上げた弁護士のフー・グアンロン(Fu Guangrong)さん(63)は言う。

「一生懸命働き、顧客に(優良な)サービスを提供することで、他者から認められ、人としての尊厳を回復することができる」

「ママ・フー」の呼び名で知られるフーさんは、元受刑者が置かれている状況の改善を求めて長期にわたり活動しており、出所者の多くからは「もう一人の母親」のように慕われている。

 元受刑者のリー・シュアンさん(45)も、プログラムの恩恵に預かった一人だ。家族を養うための収入を得ながら、同時に「心を浄化」することもできると話す。リーさんは、暴行や武装強盗などの罪で14年超服役し、2012年に釈放された。

「若い時に過ちを犯した。人生の途中で道を誤った」とリーさん。「正しい道に戻るための努力をしてきた。もうこれ以上、社会にさげすまれないでいたい」 (c)AFP/Matthew WALSH