【6月23日 CNS】最近、中国自動車工業協会が整理した中国税関総署のデータによると、今年の第1四半期における中国の自動車輸出台数は107万台で、前年同期比で58.1%増加となった。一方、日本自動車工業会(JAMA)のデータによると、日本の第1四半期の自動車輸出台数は95万4000台で、前年比で5.6%増加となった。中国は今年の第1四半期において、自動車輸出台数で日本を超え、世界最大の自動車輸出国になった。

 ある研究機関は、今年の中国の自動車輸出台数が400万台に達し、前年比で30%近く増加すると予測しており、年間自動車輸出台数でも日本を追い抜く可能性がある。2002年には、中国の年間自動車輸出台数はわずか2万台だったが、健全な自動車産業チェーンと自動車メーカーの競争力の向上により、世界の需給ギャップを埋める役割を果たしている。

 中国税関総署のデータによると、今年の第1四半期における中国の新エネルギー車(NEV、新エネ車)の輸出台数は24万8000台で、前年比で1.1倍増加し、自動車輸出総量の23.2%を占めている。同比率は、去年は21.9%だった。データを見ると、新エネ車が中国の自動車輸出の重要な柱となっていることは明らかだ。

 中国商務部の束珏婷(Shu Yuting)報道官は最近、2023年の1月から4月までの4か月間で、中国は204の国と地域に対して自動車を輸出しており、先進経済体に対する輸出額は124億1000万ドル(約1兆7586億円)で前年比1.2倍の増加となり、自動車輸出総額の41.8%を占めていると明かした。新エネ車はこの増加に大きく貢献している。1月から4月までの期間で、新エネ車の輸出額の割合は42.9%まで上昇した。

 中国の新エネ車が海外市場で人気を集める理由はコストパフォーマンスだけでなく、製品力の向上と「価値の向上」がより重要な要素となっている。

 トヨタ自動車(Toyota Motor)の首席科学者、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)の最高経営責任者(CEO)のギル・プラット(Gill Pratt)氏は、電気自動車への最近の急速な移行は、一部の車の所有者が古いガソリン車を継続して使用する可能性を引き起こすかもしれないと述べ、ハイブリッド車に対してより長い時間を与えるよう呼びかけた。しかし、中国の新エネ車メーカーに加え、BMW、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)、アウディ(Audi)などの世界的に有名な自動車メーカーが、「純電気」市場を加速度的に開拓していることは否定できない。

 ただし、ブランド認知の違い、充電インフラの不足、アフターサービスネットワークの不十分さ、輸入国による高関税の賦課、および各国の産業政策の厳格化など、中国の自動車メーカーは輸出面で依然として多くの課題に直面している。(c)CNS/JCM/AFPBB News