【6月20日 AFP】サッカーベルギー代表のGKティボー・クルトワ(Thibaut Courtois)が、前週の欧州選手権(UEFA Euro 2024)予選で主将代理を任されなかったことを理由に、20日に行われるエストニア戦への遠征を拒否したことが分かった。

 ベルギーは1-1で引き分けた17日のオーストリア戦で、欠場した主将のケビン・デ・ブルイネ(Kevin de Bruyne)に代わり、ロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)がキャプテンマークを着けた。

 チームを率いるドメニコ・テデスコ(Domenico Tedesco)監督は、19日の記者会見で、今回の代表期間中はルカクとクルトワの両副主将に1試合ずつ主将を任せる計画だったと説明。さらに、クルトワから試合後に突然「失望したし、侮辱されたと感じたから家に帰る」と告げられたと明かし、同選手が「気分を害して失望を感じたことに驚いた」と述べた。

 一方のクルトワは、テデスコ監督が自身とのプライベートな会話を部分的かつ主観的に漏らしたことに「驚かされた」とのコメントを発表。「すでに経験してきたような自分たちが傷つく状況を避けるように、説明と決断をしてほしいと頼んだ」と主張し、「個人的な感情」による行動ではなかったとした。

「キャプテンになるかならないかは、気まぐれや思いつきの決定ではなく、彼(テデスコ監督)が決めることであり、それを理解してもらおうとしたんだ」

 ベルギーメディアでは、クルトワの決断にチームメートが驚いていると伝えられている。ベテランDFのヤン・フェルトンゲン(Jan Vertonghen)は、「悲しい状況だ」と述べ、「ティボーにいてもらいたいけれど、チームのプロセスが重要だ。そのプロセスは今崩壊していて、解決策を見つける必要がある」と語った。

 ベルギー代表は、不本意な結果に終わったW杯カタール大会(2022 World Cup)の後、前主将のエデン・アザール(Eden Hazard)が代表を引退し、ロベルト・マルティネス(Roberto Martinez)前監督が退任した。

 ベルギーは欧州選手権予選のグループFで、2試合を終え勝ち点4の2位につけている。敵地タリンで行われるエストニア戦では、フランス・リーグ1のRCストラスブール(RC Strasbourg)でプレーするマッツ・セルス(Matz Sels)がGKを務めるとみられる。(c)AFP