【6月20日 Xinhua News】野草は抜かず、落ち葉も回収しない。樹木の剪定(せんてい)はせず、樹洞ができても補修しない。苗が芽吹けば成長するに任せ、農薬も病害虫が大発生しないかぎり使用せず、野生動物に本来の生活環境を提供する…

 中国北京市では現在、このような「自然ベルト」の建設が進められている。都市公園や緑地、郊外の公園、平原生態林、湿地などに特定の保護区域を設け、都市の生物多様性保護空間を補完・完備することにより、自然保護地と呼応する全域的な生物多様性保護空間構造システムを形成する。

 自然ベルトは都市の林や緑地に残る比較的広く連結性の高い地域を指す。地域内で人的介入の回避や自然遷移の促進を強調し、原野や自然の割合を高めることで生態系の強靭(きょうじん)性増強と生物多様性の維持を図る。都市の生物多様性保護における重要な手段といえる。

 中国は今年の世界環境デー(6月5日)の国内テーマに「人と自然が調和・共生する現代化の建設」を掲げた。北京市園林緑化局自然保護地管理処の馮達(ふう・たつ)副処長によると、同市には現在、5種類79カ所の自然保護地があり、市の面積の約2割を占める。類型に富み、広範に分布する自然保護地体系が形成されており、自然ベルトの建設もこれまでに135カ所の計画・建設が完了している。(c)Xinhua News/AFPBB News