【6月17日 AFP】メキシコの海岸で野鳥の死骸が多数見つかった事態について、当局は16日、太平洋の水温上昇が原因である可能性が高いとの見解を発表した。鳥の大量死はペルーとチリでも起きている。

 農業省と環境省は共同声明で、大量死の原因は鳥インフルエンザA(H5N1)ではなく、餓死だと断定。

「要因として最も考えられるのは、エルニーニョ(El Nino)現象の影響による太平洋の海面水温の上昇」だと指摘した。太平洋の海面水温が上がることで魚が海中深くに移動し、鳥が捕食できなくなっている。調査は今も継続中だという。

 エルニーニョ現象は一般的に世界的な気温上昇につながり、平均して2~7年ごとに発生する。米海洋大気局(NOAA)は先週、今年は既にエルニーニョ現象の影響がみられると発表した。

 メキシコで大量死しているのは主に、繁殖期以外は海洋で生活しているミナミオナガミズナギドリ。国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト(Red List)」で「危急種」に指定されている。他にカモメやペリカンなどの死骸も多数見つかっている。

 両省によれば、これらの野鳥は通常、沖合で死んだ後、海流に運ばれて岸辺に漂着する。(c)AFP