ストックホルム副市長、ドラァグクイーン姿で極右の「不寛容」に対抗
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【6月16日 AFP】スウェーデンの首都ストックホルムのヤン・ヨンソン(Jan Jonsson)副市長(45)が、今週開始した「不寛容とポピュリズム」に対する反対運動の一環として、ドラァグクイーン姿で子どもに本の読み聞かせをする動画を公開した。
同市ではドラァグクイーンが、図書館で子どもを対象とした本の読み聞かせや、王立劇場でのガイドツアーを実施している。
極右・スウェーデン民主党はこうした活動を繰り返し批判しており、ジミー・オーケソン(Jimmie Akesson)党首は5月に行われたテレビ討論会で、ドラァグクイーンの読み聞かせの会に税金が使われるのは「非常識だ」と述べた。
これに対し、中道右派・自由党のヨンソン氏は、自らドラァグクイーンに扮(ふん)する行動に出た。
ヨンソン氏はAFPに対し、「私自身がドラァグアーティストのためのキャンバスのようなものになることで、誰もが自由に自分を表現すべきだという主張を伝えられると思った」と語った。
さらに「他者、特にドラァグクイーンの自由を制限しようとする政党もある」とした上で、「『スウェーデンは自由な国であるべきだ』と言える人が増えることを願っている』と述べた。
ツイッター(Twitter)に投稿された動画で、ヨンソン氏はブロンドのウィッグを着け、赤い花柄の水色のドレス、ハイヒールという華やかないでたちで椅子に座り、床に座った子どもたちに囲まれている。
朗読しているのは、スウェーデンの著名な児童文学作家アストリッド・リンドグレーン(Astrid Lindgren)作の「はるかな国の兄弟(The Brothers Lionheart)」の一節で、危険を冒しててでも信念のために立ち上がることの重要性について述べている。
ヨンソン氏は広告で「物語は子どもに害はない。ドラァグクイーンも同じだ。だが、ポピュリズムと不寛容は子どもにとっても、大人にとっても危険だ」と述べている。
ヨンソン氏は以前、花柄のシャツに青いブレザー姿で自由党のギャング犯罪の撲滅運動を主導し、「ギャング最大の敵」と呼ばれたことがある。(c)AFP