【6月6日 AFP】ロシア大統領府は5日、国内の複数のラジオ局がハッキング被害に遭い、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領のものとされる偽の演説が放送されたと発表した。

 この偽演説は、北大西洋条約機構(NATO)や米国の支援を受けたウクライナ軍が、同国と国境を接するロシアのクルスク(Kursk)、ベルゴロド(Belgorod)、ブリャンスク(Bryansk)の3州に侵攻したと伝える内容だった。

 音声はプーチン氏によく似ており、戒厳令や総動員、同3州の住民の避難についても発表していた。あるラジオ局は、偽演説は約40分続いたとしている。

 大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は、ロシア通信(RIA)に対し「確かにハッキングだった」ものの、現在は復旧していると述べた。

 ベルゴロド州当局は今回の演説について、平穏に暮らしている州民に混乱をもたらすことを目的とした「ディープフェイク」だと非難した。

 同州に近いボロネジ(Voronezh)州当局も住民に対し「ラジオ放送のハッキング」があったものの「心配には及ばない」と説明した。(c)AFP