【5月28日 AFP】男子テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が27日、長年のライバルであるラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が来季限りでの引退の意向を示したことについて、「自分の一部も一緒にいなくなるよう」だと話した。

 全仏オープン(French Open)で14回の優勝を誇るナダルは、負傷のため今季の大会を欠場すると発表し、さらに2024年が現役最後のシーズンになる可能性が高いと認めた。

 ジョコビッチは、「彼が現役ラストシーズンに関する発表をしたとき、自分の一部も一緒にいなくなるように感じた」と話し、「自分もあとどれくらい続けられるだろうかとキャリアについて考えた」と明かすと、「きょう何かの発表をするわけではないが、とにかく深く考えさせられたし、彼の言葉で少し感傷的にもなった」と続けた。

 両者の対戦成績はジョコビッチの30勝29敗だが、全仏オープンでは10回の対戦でナダルが8勝と大きく勝ち越している。ジョコビッチは「正直に言って、ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)の組み合わせでは彼の名前を見たくない」と認め、「直接対決でもあまり勝ったことがない。何とか2回倒せたが、そのためには心も体も振り絞らないといけなかった」と振り返った。

 今大会で自身3回目の全仏制覇を達成すれば、ジョコビッチはナダルと22勝で並んでいる男子シングルスの四大大会(グランドスラム)最多優勝記録を更新するだけでなく、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams)の23勝に並び、マーガレット・コート(Margaret Court)が持つ女子も含めた最多24勝にあと一つと迫る。

 ジョコビッチは「今も現役を続行し、プロで戦っている大きな理由が、記録をもっと更新してテニスの歴史をつくることなのは間違いない」と話し、「それがとても大きなモチベーションと刺激になっている。歴史が懸かっているのは非常にうれしいものだ」と意気込んだ。

 ジョコビッチは28日開幕の全仏オープン1回戦で、世界ランキング114位でグランドスラム本戦初出場のアレクサンダル・コバチェビッチ(Aleksandar Kovacevic、米国)と対戦する。(c)AFP/Dave JAMES